2025年6月2日に放送されたNHKの人気旅番組『鶴瓶の家族に乾杯』でのワンシーンが、ネット上でちょっとした騒動を巻き起こしている。
出演したのは、元天才子役で現在は慶應義塾大学に通う俳優・鈴木福（20歳）。そして、番組のホストである落語家・笑福亭鶴瓶。2人が広島県東広島市を旅する中で、話題が福のかつての共演者である芦田愛菜へと及んだ。
この何気ないトークの中で飛び出した鶴瓶の一言に、視聴者からは「老害発言だ」「セクハラでは？」といった否定的な声が上がる一方、「冗談の範囲内」「愛情があるからこそ」と擁護する声も根強くある。
一体何が起きたのか？そしてなぜこれほどまでに波紋を呼んだのか。背景と反応を詳しく見ていこう。
■鶴瓶 番組内での“問題発言”とは？
>>鶴瓶から「愛菜ちゃんと会うこともある？」と問われると「ないです、全然。もう…一切。仕事でしか会わない
福くん「それより鶴瓶さん、今でも中居さんと会うこともあるんですか？
師匠「… 💦
※知らんけどhttps://t.co/Ho2VC6SQBO
— 九八式計算機 (@IJtyp98computer) June 3, 2025
今回の放送で鶴瓶は、広島県東広島市を旅する鈴木福との再会に「楽しみやなあ」と笑顔を見せた。
番組では福が20歳になったこと、大学生としての生活、さらには日本酒を楽しんでいる様子が語られるなど、終始なごやかな雰囲気だった。しかし、その空気が変わったのは、話題が「芦田愛菜」に移った瞬間だった。
福が「芦田さんとは全然会っていない」と笑顔で語ると、鶴瓶は「おかしいやん、つきおうてんの？」と突然の直球質問を放ったのだ。
福は驚きつつも、「違います、違います」と笑って否定し、あくまでビジネスの現場以外では関わりがないことを強調した。だが、この発言が放送されるや否や、SNSはざわついた。
■鶴瓶の老害発言 視聴者からの批判「令和ではアウト」「セクハラ」「老害」
鶴瓶の「つきあってんの？」という発言に対し、多くの視聴者が違和感を覚えたようだ。
特に令和の時代において、恋愛ネタを強引に振る行為は「セクハラ」に近いと受け止められることがある。
X（旧Twitter）やYahoo!コメント欄には以下のような意見が寄せられている：
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「福くんが困っていた。あの場で言われたら返答に困るのは当たり前」
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「子役時代の共演者だからって、今も特別な関係だと思い込むのは古い」
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「“つきおうてんの？”って…もうちょっと言い方を考えてほしい」
中には、「昭和ならば通用していた冗談も、今は通用しない」といった時代錯誤への批判も多く見受けられた。
また、鶴瓶が過去にも同様の“踏み込みすぎた質問”を行ったことがあったため、「またか」と感じた視聴者もいたようだ。
■“セクハラ”とされる背景にあるジェンダー意識の変化
ここ数年でテレビ界も含め、ジェンダー意識やコンプライアンスに対する見方が大きく変わっている。
男女関係の話題をネタにして笑いを取るというスタイルは、いまや時代遅れとされるケースが多い。
特に、成長したとはいえ、まだ若いタレントに対して恋愛について無遠慮に踏み込むのは「配慮が足りない」と捉えられてしまうのだ。
芦田愛菜と鈴木福という“国民的子役コンビ”であった2人だからこそ、視聴者も勝手に「お似合い」だと思い込んでしまいがち。
しかし、その期待を押しつけるような発言は、今の時代には歓迎されないのが現実だ。
■一方で擁護の声も「冗談だし、2人の関係性だからこそ成立する」
だがすべての視聴者が鶴瓶の発言を否定しているわけではない。
中には、「あれは鶴瓶さん流の愛ある冗談」「あの関係性だから許される」「福くんもちゃんと笑って対応してた」といった擁護派の意見も多く寄せられている。
実際、鶴瓶は福に対して非常に親しみを込めた態度で接しており、終始リラックスした雰囲気だったのは事実だ。
また、「2人の成長を見守ってきたファンとしては、そういう話題も微笑ましい」「鶴瓶さんだからこその空気」といったノスタルジー混じりの好意的な意見も見受けられた。
■芦田愛菜との“交際説”を期待する風潮への違和感
今回の一件が物議を醸した背景には、「芦田愛菜と鈴木福はお似合い」という根強い期待がある。
ドラマ『マルモのおきて』で共演して以来、2人は「理想のカップル」「結婚してほしい」と言われ続けてきた。
しかし、現実の2人はプライベートで連絡も取っておらず、大学も同じとはいえキャンパスが異なるため接点もほぼないという。にもかかわらず、テレビやネット上で“2人の関係”を茶化すような風潮は、本人たちにとって負担でしかないだろう。
■大人になった2人が見せる“距離感”と“プロ意識”
鈴木福と芦田愛菜、どちらも子役時代から芸能界で生き抜き、いまや大人の俳優・タレントとして活躍している。
特に福は、「子役のイメージを脱却した成功例」として、多くのメディア関係者からも高く評価されている。
その一方で、かつての“共演相手”に対して無責任な憶測を振りかざすのは、2人のこれまでの努力を軽んじる行為とも言える。
今回の福の落ち着いた対応や、誠実なコメントは、彼の人柄とプロ意識の高さを改めて示した。
■まとめ：「笑い」と「敬意」は両立できる時代へ
鶴瓶の「つきおうてんの？」という発言が、これほどまでに波紋を呼んだのは、時代の変化と価値観のズレが背景にある。
確かに彼の発言には悪意はなかったかもしれない。だが、いまは「冗談」も文脈と配慮が求められる時代だ。
福や愛菜のように、誠実に芸能界を生き抜いている若者たちに対しては、リスペクトをもって接する姿勢こそが求められている。
笑いは人を救う力がある。しかし、それは思いやりと敬意の上に成立するものだということを、今一度、テレビ業界全体が考える時期なのかもしれない。
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