山梨県を代表する人気スイーツメーカー「シャトレーゼ」が、2025年5月22日、労働基準法違反の疑いで書類送検されたというニュースが日本中に衝撃を与えました。
書類送検の対象となったのは、甲府市に本社を構える株式会社シャトレーゼと、物流部長、調達部長の2名。今回の問題をきっかけに、同社を牽引してきた斎藤貴子(さいとう たかこ)社長にも注目が集まっています。
本記事では、そんな斎藤貴子社長の経歴や学歴、人物像に加え、問題の経緯についても詳しくご紹介します。
シャトレーゼが労働基準法違反で書類送検
まずは今回の書類送検について簡単にまとめておきましょう。
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対象:株式会社シャトレーゼ、および元物流部長(46歳)、元調達部長(52歳)
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理由:従業員2名に対し、違法な長時間労働を強いた疑い
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内容:
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白州工場勤務の社員に、半年以上にわたり月45時間を超える残業
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豊富工場勤務の社員には、1カ月で100時間以上の残業
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また、シャトレーゼは外国人労働者に休業手当を支払わなかった件で出入国在留管理庁から改善命令を受けた他、下請法違反で公正取引委員会から是正勧告も出されており、企業体質そのものが問われています。
シャトレーゼ社長・斎藤貴子とは何者か?
今回の問題が起こる中で、経営トップである斎藤貴子社長がどのような人物なのか、知っておきたいと考える人も多いでしょう。ここでは彼女の学歴・経歴・考え方などを詳しく紹介します。
斎藤貴子のプロフィール・学歴
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名前:斎藤 貴子(さいとう たかこ)
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生年:1963年(昭和38年)
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出身地:山梨県甲州市(旧・勝沼町)
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高校:山梨県立日川高校
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大学:アメリカ・ハワイ大学(心理学専攻)
中学時代からソフトテニスに打ち込み、日川高校時代にはインターハイに出場するほどの実力者。高校卒業後は、念願だった海外留学を実現し、多様性のあるハワイ大学で心理学を学びました。
彼女の正義感とリーダーシップは、この時期に培われたといえます。
齊藤貴子 シャトレーゼ入社から社長就任までの道のり
新卒でシャトレーゼ入社
ハワイ大学を卒業後、日本に帰国して家業であるシャトレーゼに入社。最初は商品開発部門でアイスクリームや和菓子の開発に携わりました。
なかでも「シャトレーゼプレミアム」という無添加アイスの商品開発は、彼女にとって印象深い経験となったそうです。
結婚・出産で一度退社、そして復帰へ
その後は結婚・出産のため一度退社。5人の子ども(男児2人、女児3人)の子育てに専念していました。しかし17年前、直営店舗のフランチャイズ化をきっかけに塩山店のオーナーとして再始動します。
その後、経営現場の課題を肌で感じながら改善を進言し、平成23年(2011年)にシャトレーゼホールディングスの専務に就任。そして平成30年(2018年)、ついに社長へ就任しました。
父・斎藤寛会長と「親子二人三脚」経営
シャトレーゼの創業者は、斎藤貴子社長の父である斎藤寛会長。彼はアイデアマンとして知られ、「甘太郎(今川焼き)」から始まり、今のスイーツ帝国を築き上げました。
貴子社長は、その父とともに「親子二人三脚経営」を掲げ、近年の急成長を支えています。
シャトレーゼの現在と多角化戦略
シャトレーゼは現在、
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国内:820店舗
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海外:180店舗
を展開しており、まさにグローバルスイーツブランドへと進化しています。
さらに近年では、
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ワイナリー
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ゴルフ場
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ホテル(バームクーヘン工場併設)
など、観光業・サービス業への多角化も積極的に進めています。
2025年秋には、広島県呉市に新しく「ガトーキングダム瀬戸内(仮称)」をオープン予定。焼きたてスイーツが味わえる菓子工場付きホテルとして話題を呼んでいます。
経営方針と働き方への想い
今回の書類送検でシャトレーゼの労働環境には疑問符が付けられていますが、斎藤社長自身は常に**「現場を知る」「イエスマンにならない」経営**を心がけてきたと語っています。
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「家業だと思って働いてほしい」
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「社員一人ひとりがイノベーションの主役」
という理念は、彼女が現場を経験してきたからこそ生まれたもの。
しかし、実際の現場との乖離が露呈した今回の事件では、その理念がどこまで実行されていたのか、厳しい視線が注がれています。
まとめ|今後の再発防止と企業体質の改善に注目
シャトレーゼ社長・斎藤貴子氏は、華やかな経歴と人間味あるリーダーシップを併せ持つ一方で、組織全体のマネジメント体制に課題があったことも浮き彫りになりました。
多くの人に愛されてきたブランドだからこそ、今後の対応と改善策に注目が集まります。
消費者の信頼を取り戻すことができるのか——。それは斎藤社長と社員全員の“再出発”にかかっているといえるでしょう。
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