2025年6月3日、野球界のレジェンド・長嶋茂雄さんが肺炎のため89歳で逝去されました。
プロ野球・巨人軍の終身名誉監督として「ミスタープロ野球」の名を欲しいままにした人物の死去は、全国に大きな衝撃を与えました。
しかし、悲しみのなかで注目が集まっているのは、遺族の「家族関係の確執」です。
特に、長男の長嶋一茂さんが“喪主を務めなかった”理由と、妹・長島三奈さんとの間にある深い溝について、メディアやSNSでも大きな話題となっています。
本記事では、一茂さんがなぜ喪主でないのか、そして家族間に何があったのか、これまでの経緯を詳しく解説していきます。
◆ 喪主を務めたのは長女・長島三奈だった
2025年6月3日午後、長嶋茂雄さんの自宅に棺が運ばれ、長男・一茂さんと次女・三奈さんが揃って弔問に訪れた王貞治氏を見送る姿が報道されました。
かつて「絶縁状態」と報じられた兄妹が並んでいたことで、関係改善を感じさせる場面にも見えました。
しかし――
喪主を務めたのは長男の一茂さんではなく、妹の三奈さんでした。
これに対し、SNS上では以下のような反応が飛び交っています。
「一茂が喪主じゃないの?なんで?」
「三奈が家を取り仕切ってるってこと?」
「兄妹仲が悪いって本当だったんだ…」
つまり、多くの人がこの喪主問題に違和感を覚え、「何か深い事情がある」と直感的に感じているのです。
◆ 一茂の“相続放棄”発言が再注目される
実はこの喪主問題と密接に関連しているのが、「相続」に関する話題です。
一茂さんはこれまで複数のテレビ番組で次のような趣旨の発言をしています。
「(父の遺産相続は)全部放棄している。揉めたくないので」
「兄弟4人いるが、もう三等分だと自分の中で決めている」
こうした発言からも、一茂さんが家族内トラブルや金銭的な争いを避ける姿勢をとっていたことがうかがえます。
しかし、ここで注意すべきは、“生前の相続放棄”には法的効力がないという点です。
▼ 法的にはどうなる?
税理士の見解によれば、以下のような解説がされています。
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正式な相続放棄は、相続開始後に家庭裁判所に申立てを行う必要がある
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「遺留分(最低限の取り分)」の放棄には、生前からの手続きと家庭裁判所の許可が必要
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つまり「テレビで放棄を宣言していても」それは単なる意思表示に過ぎない
よって、遺産相続をめぐるトラブルが今後発生する可能性はゼロではないのです。
◆ そもそもなぜ不仲に?確執の原因は「商標権問題」
ここで気になるのが、なぜ一茂さんと三奈さんをはじめとする家族との関係が悪化したのか、という点です。
その原因とされているのが――
「長嶋茂雄」の商標権をめぐるトラブルです。
2009年、長嶋茂雄さんの肖像権やマネジメント権を管理する会社「オフィスエヌ」の代表に三奈さんが就任。そして、それ以前は一茂さんの個人事務所がこれらの権利を持っていたことが明らかになりました。
さらに、一茂さん側が「長嶋茂雄」という名前を商標登録しようとしていた事実が発覚。これに対し三奈さん側が「無効」を主張し、家族間での対立が表面化したのです。
この騒動がきっかけとなり、一茂さんは父・茂雄さんとも会わなくなったとされています。
◆ 一茂は「13年間父と会っていない」衝撃の事実
2021年に発売された雑誌『ゲーテ』のインタビュー記事で、一茂さんは次のように語っています。
「父とはもう13年会っていない」
「妹たちや弟とも10年以上顔を合わせていない」
「今さら会うこともない。会う気もない」
これはファンにとって非常にショックな告白でした。
表向きは華やかな芸能活動を続ける一茂さんですが、その裏では家族と完全に断絶状態にあったのです。
◆ 長嶋茂雄という“偉大すぎる父”の影
一茂さんは常々「自分こそが日本一の長嶋茂雄ファンだ」と語っています。父を尊敬する気持ちには一切の揺らぎがありません。
しかし、その一方で、偉大すぎる父の影が、彼の人生に少なからずプレッシャーを与えてきたことも事実でしょう。
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プロ野球選手としても父を超えられなかった
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タレントとしても「長嶋一茂」の名前が先に来てしまう
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ビジネスでの商標トラブルまで起こる始末
これらすべてが、「長嶋家の長男」という重責と葛藤の中にいた証です。
◆ 喪主を辞退した真の理由とは?
ここまでの経緯を整理すると、一茂さんが喪主を務めなかった理由は以下のように推測されます。
▼ 表面的な理由
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自ら「相続放棄」を主張していたこと
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家族と10年以上疎遠であったこと
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マネジメント会社(オフィスエヌ)を三奈さんが管理していたこと
▼ 内面的な理由
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遺産を巡って揉めたくないという強い意志
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父を心から尊敬していたが、家族関係には距離を置きたかった
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「長男としての義務」よりも「人間関係の整理」を優先した可能性
◆ 今後の長嶋家はどうなる?再び注目される兄妹関係
長嶋茂雄さんの訃報によって、兄妹の再会が報道された今、「今後の長嶋家」がどうなるのかにも注目が集まっています。
一茂さんと三奈さんの関係は、和解へと向かうのか、それとも形式的な共演で終わるのか。
ファンにとっては、あの「家族の絆」がもう一度戻ってくることを願うばかりです。
◆ まとめ:一茂の喪主辞退は“確執”と“覚悟”の両面があった
喪主を妹の三奈さんが務めたことには、明確な家族内の力関係、そして過去のトラブルが色濃く影響しています。しかし、一茂さんは父・茂雄さんに対しては深い尊敬を抱き続けていたことも、数々の発言から分かります。
最後の再会が13年ぶりであったとしても、その胸中にはきっとさまざまな感情が交錯していたはずです。
「一番のファン」だった長男の沈黙――
そこにこそ、言葉にできない親子の絆が存在していたのかもしれません
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